00基本製作記「エアブラシ(基本)編」 このエントリーをはてなブックマークに追加

ダブルオー製作記、なんとも今更なエアブラシ編です
均一な塗膜を貼り、プラモを自分色に染め上げるには必須の道具です
今回は基本的な使い方について、均一な塗膜の貼り方、メンテナンス法を紹介します
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愛用品、コンプレッサー&エアブラシ(+塗装ブース)


エアブラシ塗装に必要な道具

エアブラシの種類

まずは今回扱うエアブラシの種類について


上の二つのエアブラシ(カップ一体型と吸い上げ式)を愛用しています
どちらもノズル口径0.3mmのダブルアクションタイプです
ダブルアクションとは、ボタンの押し加減でエアーを調節し、
トリガーの引き具合で塗料の量を調節する物をいいます

シングルアクションは塗料の量をトリガーではなく、後部のダイヤルで調節します
おすすめはコストパフォーマンスの面からもダブルアクションです

その使用法について、まずは一体型から
00 エアブラシ 基本2画像
おそらく最も一般的な持ち方
シングルアクション、ダブルアクション、入門用と、特に物を選びません
ペンを持つような感覚で、細かな部分への吹きつけが可能です
個人的には、保持が安定せず、指が疲れやすい印象ですね…

00 エアブラシ 基本1画像
つくる人はこんな持ち方をしています
がっちり保持でき、親指でボタンを押すので疲れにくいのが特徴です
また、人差し指でニードルの引きを固定したりもします
どちらかというと太吹きに向いた持ち方ですね

カップ一体型のメリットは、構造の単純さによるメンテナンス性の良さです
トラブルが少なく、後述の“うがい”を2、3度するだけで塗料の交換可能です

カップ分割型との違いは、「分割して細部まで洗浄できる」と取るか、
「分割して細部まで洗浄しなければならない」と取るか、の違いですね

続いて、もう一つの愛用品、吸い上げ式について
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吸い上げ式でも同じ持ち方が可能です
ただしこちらの場合、少々重いので、親指式でがっちり保持する方がおすすめです

吸い上げ式のメリットは、ボトルによる塗料の保存性の良さ、使用中の残量の見やすさ、大容量(18ml)のボトルなど、
「スペアボトルを直接使える」という他に、ブラシ上部の視認性の良さ、ノズルへ塗料が溜まりにくさもあり、
メリット自体は多いです
ただし、一体型と違い構造が複雑であり、メンテナンスも複雑化しています
塗料の交換は意外と面倒です

「大量使用し、保存することの多いサフやクリアなどは“吸い上げ式”」
「塗料を交換しながら使用することの多い基本塗装は“カップ一体型”」と使い分けています
どちらか一方を持つのであれば、一体型をお勧めします

コンプレッサーのすすめ
トップ画像のように、エアー供給にはコンプレッサーを使用しています

個人的にエアブラシは入門用でも一通りこなせる十分な性能があると思います
入門用最大の欠点はエア缶です
エア缶は使用中、気化熱により温度が低下し、缶内の圧力が下がってしまいます
それにより噴射量が安定せず、塗装自体も安定しません
安価な「プチコン」などでもいいのでコンプレッサーの購入をお勧めします

エア缶を複数用意すれば、交換しながら使うことで無理やり安定させることも可能です
(でもそこまでやるならコンプレッサー買おうよ…)


基本的な塗装法

では、実際の塗装へ
00 エアブラシ 基本100 エアブラシ 基本2
今回はラッカー塗装に絞って進めていきます
塗料の状態などによって変わりますが、塗料1に対して溶剤1~2を添加して適正の濃度にします
だいたい「牛乳くらいの濃さ」といわれています
ちなみにエナメルの場合は溶剤分1~2、アクリル(水性)の場合は溶剤分0.5~1とされています

00 エアブラシ 基本線2
太吹きの場合、最大出力(リニアコンプレッサーL5で0.12MPa)で10~15cmくらいの距離から吹きつけます
細吹きしたい場合には、エア圧を下げて近くから吹きつけます

00 エアブラシ 基本線1
パーツのない部分から塗料を吹き始め、また吹き終えることで、安定してムラのない塗膜がはれます
素早く動かすことよりも、一定の速度で動かすことを意識するようにしましょう

自分の場合、片道ずつ右から左に3回、左から右に3回くらい重ねます(一度に往復すると一部に偏りがちです)
3往復しても色が乗らないような場合には、一度乾燥させて、再度吹きつけます
(重ね塗りしても色が乗らないような場合、薄め過ぎの可能性があるので、再度チェックしましょう)

00 エアブラシ 基本5
また、パーツの奥まった面や、サイドの細い面から塗装することで、
吹き忘れを防止し、塗料が垂れて溜まったりするのを防ぐことができます

00 エアブラシ 基本7
顔料が下に溜まり、塗料が濃くなったように感じる場合には“うがい”をします
噴射口をふさぎ、エアーを塗料側に逆流させることで、カップの塗料を撹拌することができます
クラウン型カバーの場合は手でふさぐことが難しいので、トリガーを引き、綿棒でふさいでいます

00 エアブラシ 塗装6画像
各面ごとに吹きつけ、全面に塗装していきます
ムラのない均一な塗膜を貼ることができました

乾燥時間は3時間くらいおきます。手で触れるようになるのは30分くらいです
ちなみに、完全乾燥は1週間くらいとされています

(参考)指触乾燥と完全乾燥について
「指触乾燥」とは文字通り指で触っても平気な状態です。強く触ると跡が残る場合もあります。
こちらの乾燥時間は溶剤分にもよりますが、30分~1時間くらいです。
この状態まで乾燥すれば、多少は下地の影響も受けますが重ね塗りが可能です。
ラッカーが完全乾燥するのは約1週間、あるいは1ヶ月以上ともいわれています。
ここでの「完全乾燥」とは文字通りラッカー溶剤が完全に抜けることをいいます。
わかりやすい目安では“溶剤の匂いが全くしなくなるまで”です。

00 エアブラシ 洗浄1
残った塗料はカップから出し、捨てるかスペアボトルなどに保存します

塗装時にあるの便利な物
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塗装時には、こんな持ち手を用意しています
クリップの隙間に、竹串(つまようじ)を突き刺しただけのものです
竹串の太さをセロテープなどで調整して、ダボやポリキャップなどに刺したりもします

乾燥時にはホームセンターなどに売っている「スタイロフォーム」にぶっ刺しています
発泡スチロールのような物で、より丈夫で何度か使いまわすことができます
ほこり、毛羽立ちが気になる場合にはヤスリ掛けして表面をならしておきましょう
00 エアブラシ 他4
乾燥にはドライブース…、と見せかけて食器乾燥機を使用しています(内部は少々加工)
ほこりよけとなる庫内、40℃くらいの高温下と、ドライブースに必要な条件を満たしています
オフタイマーも付属し、ブースと比べ安価ですので、お勧めの逸品です
(モデラーの間では有名のようで、amazonのレビューは模型用ばかりとなっています(笑)


洗浄

続いて、塗装後の洗浄について
00 エアブラシ 洗浄4
1.ニードルカバーはあらかじめ外して、溶剤につけこんでおきます

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2.カップ内に残った塗料は拭き取り、紙コップなどに全て出しきります

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3.ラッカー溶剤をカップの1/5ほど入れます

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4.溶剤をティッシュに吹き出します。溶剤を少し通す程度で十分です

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5.噴射口を押さえてうがいをします

6.溶剤が一定の濃度になるまで4.5.を2、3回繰り返します

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7.溶剤を捨てます

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8.溶剤がにごらなくなるまで2.~7.を2、3度繰り返します
 だいたい3回目でにごらなくなるので、2回やれば十分かな?という印象です

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9.最後に溶剤につけておいたニードルカバーを綿棒で拭き取ります
 吸い上げ式の場合には、ボトル内のホースを取り外し、ホースにも仕上げに溶剤を流しておきます

自分の場合、塗料交換でも、片づけるにしてもこのくらいで済ませます
慣れてしまえば筆を洗うより手早く終わります

一か月以上使わないような場合には、ニードルを外して洗浄したりもしますが…
下手に細かくばらして洗浄するとトラブルの素となるので、基本的にこの程度でとどめています

また、エアブラシを使用する場合には大量の溶剤を必要とするので、
溶剤は大容量の物を選んだ方が、長い目で見て安く済みます

ガイアの溶剤はMr.カラーにも、もちろん使用でき、1リットル入りでかなり割安になっています
そのままだとさすがにでか過ぎて扱いにくいので、別容器への詰め替え用として使用しています



エアブラシ編はひとまずここで終了です

次回はエアブラシの応用編、マスキング塗装です

参考文献
カンペキ塗装ガイドDX (電撃ホビーマガジンHOW TOシリーズ)(amazonリンク)
プラモつくろうCUSTOM Vol.5 機動戦士ガンダム08小隊 MS-07B-3 グフカスタム(YouTube)
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質問、リクエスト募集中!
[ 2011/10/22 00:00 ] 製作記 | TB(0) | CM(5)

12: とらねこ (2011/10/22 17:47)

先程は拍手のコメントに投稿してしまい失礼しました。
コメントに投稿すべきでした。

記事非常に参考になりました。ところで、講座の趣旨から外れている質問で恐縮なのですが、自分は部分塗装派で、ベースホワイトのスプレーを隠蔽力と、白の色味が気に入っていることから、その上に何も吹かずにそのままフラットホワイトととして使用しているのですが問題ありますか?今のところ大丈夫ですが長期的に変色する可能性があるとか。お手間でなかったらご回答お願いします。

御迷惑でなければ、リンクお願いします。
とらねこ玩具
http://toranekogangu.blog91.fc2.com/

13: つくる人 (2011/10/22 19:43)

とらねこさんコメントありがとうございます
リンク、大歓迎です

さて質問の方、少々難しい話ですので自分自身、確信のある回答ではないのですが…

模型用ラッカーなどの合成樹脂塗料は、紫外線により「やけ」といわれる黄ばんだ様な変色をする場合があります
このやけは、混色した場合にはあまり目立たないのですが、白やクリアーなどでは色味的に目立ってしまいます
つまり、経年による変色はベースホワイトに限ったことではないと思います
Mr.カラーのスーパークリアーには、紫外線をカットする物もありますので、気になる場合にはそちらでコートしましょう

自分も時折、ベースホワイトによる部分塗装を(主に筆塗りで)しますが、
基本的にあまり飾ったりせず、箱の中にしまっているので、そうした変色の経験はありません

個人的な見解を申しますと、
部分塗装であるからこそ、プラ部分と塗装部分の質感の差を埋めるために、つやを一定にするオーバーコートは重要だと思っています
ですので、最終仕上げとしてコートすることをお勧めします

14: とらねこ リンクありがとうございます (2011/10/22 22:17)

リンクありがとうございます。当方もリンクしました。

白系の色は特に変化が激しいですよね。たまに昔の玩具を引っ張り出した時にクリーム色になっていたりしてビックリします。
でも同じ玩具でも、地の材質の違いで白に変色してる箇所としていない箇所があって変色しやすい塗料と、し辛い塗料があるんだなと漠然と思っていました。(地の材質の問題かも)
で、そちらの記事を拝見したところサーフェンサーが酸化で性質が変化するとの記載を見て、もしたしたらベースホワイトに下地としてしか使えない訳とか変化があるのかと思い質問させて頂きました。
他の塗料と比べて変色しやすいとかいう事で無ければ十分です。
ありがとうございます。

紫外線に強いトップコート(つや消し)は持ってるのですが、私の変なこだわりで極力トップコートは使いたくないんです。
(理由は当ブログのカテゴリ-HGの1番最初の記事に記載してます。気が向いたら見てください。)
なので、メラミンスポンジで磨いて質感を合わせています。スプレーより無駄に手間は掛かりますがプラモの安っぽいテカリが取れるんで気に入っています。
でもやはり紫外線などを考えると塗装した箇所だけでも吹いたほうが良いかも知れませんね。
お手数お掛けしました。

172: ポコちゃん1号 大変勉強になりました (2014/01/30 23:08)

今まで筆塗りで色々と作ってきたのですが、ちょっとまとまったお金が手に入ったので思い切ってエアブラシ買いました。
入門書のようなものを買おうかとも思ったのですがどれがいいのかもよくわからず、ググっていたらこちらにたどり着くことができました。
写真付きでとても分かりやすく大変参考になりました。
エアブラシのエアープレイをしててまだ何も塗ってませんがこれから色々とチャレンジして行こうと思います。
薄め液だけ一回吹いて遊びましたが…

173: つくる人 ポコちゃん1号 さんコメントありがとうございます (2014/01/31 19:49)

自分もそうでしたが、初めてのエアブラシは緊張とわくわくでなかなか手が出ないものです
物は試しで色んなものに塗装してみてください
また、エアブラシのメンテナンスにこちらの記事も参考になると思いますので、
よろしければご覧ください
http://plamotukuruyo.blog65.fc2.com/blog-entry-69.html

では御武運を!

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