00基本製作記「スジボリ編」 このエントリーをはてなブックマークに追加

ダブルオーガンダム基本製作記、5回目となる今回はスジボリ編です
スジボリとは、装甲などのつなぎ目(パネルライン)を表現したモールドを、追加、強調することです
今回の工作ではおそらく一番細かい作業です
00 スジボリ トップ
画像はスジボリのハイライトです


概要

ちょっと図解にしてスジボリの説明を…
00 スジボリ 図1
ガンプラなどのキットに施されているいるモールドは、図のように若干丸みを帯びています
この丸モールドは、塗装時に埋まり易く、スミ入れなどの表現に不向きです
ですので、塗装前に少し強調しておきます

続いて、スジボリを施したモールドについて
00 スジボリ 図2
デザインナイフや、ケガキ針(スクライバー)を使用してスジ彫りをすると、
図のようにV字型になります
このV字モールドも、丸型モールドと同様の理由で不向きです
深く彫ることで埋まりにくくすることも可能ですが…
深く彫ろうとすると、モールドの幅が大きくなってしまいがちです

00 スジボリ 図3
目指す理想的なモールドはこのような凹型モールドです
V字モールドにヤスリ掛けしたり、
デザインナイフの裏やPカッターで軽くスジボリするとこの形状になります
一度のスジ彫りで済ませる方法として、
スジボリ堂の「BMCタガネ」を使う方法があります(つくる人はこれを愛用)
リンクのMr.ラインチゼルを使うと同じく一発で凹モールドが彫れるらしいのですが…
実際に使ったことはないので“らしい”という程度で

手順
00 スジボリ 手順
3本の直線を繋げるようなスジボリの場合、パーツ内側から外側に2本の線を引き、
その2本をつなぐように内の3本目の線を引きます


基本のスジ彫り

実例を元にしていきましょう
00 スジボリ 基本1
今回は比較のために、左側は汎用品、右側はタガネ(+ダイモテープ)で仕上げていきます
元あったモールドとつなげる形でパネルラインを追加していきます

Pカッターを使ったスジ彫り(0.2mm)
まずは追加するモールドラインに、油性ペン(スミ入れペン)で線を引いておきます
その線に沿ってセロテープを貼り、ガイドとします

00 スジボリ 基本200 スジボリ 基本3
次にセロテープをガイドにして、パーツに垂直にデザインナイフを入れます
その後、やや斜めから刃を入れ、V字に切りこみます
あまり幅が広くなり過ぎないように気をつけましょう

00 スジボリ 基本4
仕上げにPカッターを使って、凹モールドにしていきます
深く彫ろうとし過ぎるとV字の幅の広いモールドになってしまうので、軽く当てる程度にします

幅0.2mmくらいまでのスジボリなら、この方法で彫ることができます
Pカッターの当て具合によって、より幅の広いモールドにすることも可能です


デザインナイフを使ったスジ彫り(0.1mm)
続いて、より細いモールドの場合
00 スジボリ 基本5
同じくセロテープをガイドに。
左右、同じ高さの水平なラインなので、まとめてテープを貼っておきます

00 スジボリ 基本6
ナイフの先を使って、少しだけ傷をつける程度にナイフを当てます
多少はみ出してしまっても後の処理で傷は埋めることが出来るので、さほど神経質になる必要はなく、
ある程度はみ出すくらいに当てた方が効率よく進みます

00 スジボリ 基本7
仕上げにデザインナイフの背を使い、凹型にしていきます
軽く、何度かなぞるように刃を当てます
この場合のモールド幅は、だいたい0.1mmくらいです


BMCタガネを使ったスジ彫り
00 スジボリ 基本800 スジボリ 基本9
右側は、0.2mm、0.1mmの幅のタガネを使って、スジ彫りします
こちらの方法は、ガイドを使って手順通りにただ彫るだけなので…、また後ほど

00 スジボリ 基本10
左・ナイフ+Pカッター、右・タガネの比較
わかりやすいようにスミ入れペン(拭き取りタイプ)でスミ入れしています

左にはナイフの傷が残ってしまっていますが、サーフェイサーで簡単に埋まる程度のものです
タガネを使うことで効率良くスジボリできますが、実のところ仕上がりに大きな差は出ません
(“効率良く”ってのは結構、重要なポイントですが…)


テンプレートを使ったスジ彫り

続いて、テンプレートを使ったスジボリについて
00 スジボリ テンプレ1
腕部のGNコンデンサー部分に、コトブキヤのモデリングテンプレートを使用して、
円形のモールドを入れていきます
安価なプラスチックのテンプレートを使用してもいいのですが、
金属でスジボリするので傷みやすく、また厚みがあるので少々扱いにくいです

ちなみにコンデンサーの大きさが6.5mmでしたので、5.5mmの内円を彫り、0.5mmの幅を作ります

円形に円形のモールドを彫るのは難しいので、テンプレートを用いてスミ入れペンで円を書いておきます
円を書いてはチェックして、ずれがあれば塗装用の溶剤などで拭き取り、円が中心になるようにします
また、左右のバランスにも注意しましょう

00 スジボリ テンプレ2
先ほど書いた円に合わせて、テンプレートをセロテープなどでパーツに固定します

00 スジボリ テンプレ4
ケガキ針をパーツに垂直に立て、テンプレートに沿って何度も回る様にしてアタリをつけます
(ちなみに画像のスクライバーは 先を曲げてしまい研ぎ直した物なので、実製品はもっととがっています)

00 スジボリ テンプレ3
ちなみに、それほど強く押し当てる必要はないので、押しピンや画鋲などでも代用できます

00 スジボリ テンプレ5
タガネを使う場合には、テンプレートを削ってしまいがちなので、1、2周する程度にとどめておきます

00 スジボリ テンプレ6
テンプレートを外し、タガネ(またはデザインナイフの背)を使い、仕上げます
タガネやナイフの先端は、ねじるような力に弱く、欠けてしまうことがあるので、
曲線には一発彫りしない方が無難です

00 スジボリ テンプレ7
仕上げに、スポンジヤスリなどで毛羽立ちを抑えておくと、よりきれいに仕上がります

00 スジボリ テンプレ8
わかりやすいようにスミ入れして、左右の比較
円は自作しにくいので、テンプレートの購入をお勧めします


00 スジボリ テンプレ900 スジボリ テンプレ10
こちらは、やむなく自作した円形のテンプレートの例
12mmの円をスジ彫り、その内円に10.5mmの円をくり抜き、パーツに合うように1mmのプラ板を加工しています
こういった自作テンプレートには、より硬度があり作業しやすい透明プラバン(0.5mm程度)の方が向いています
サフ後の画像もありますが…、あまりうまくいってはいませんね…


自作テンプレートの例
続いて、そのテンプレート自作の例
00 スジボリ 自作2
方眼紙の上にマスキング、さらにその上にダイモテープを貼り、デザインナイフでカットします
マスキングテープはダイモテープを剥がしやすくするためのもので、
方眼紙を利用しない場合にはほかのテープでも代用できます

00 スジボリ 自作1
切り出したテープをパーツに張ります
テンプレートを使用するメリットとして、表裏、両腕に同じデザインにすることができます
テープは繰り返し何度か使うことはできますが、粘着力が落ちて少々ずれやすくなるのでご注意を

ダイモテープは、透明プラバン+両面テープでも代用できますが…
小パーツに細かいデザインをする場合にはダイモテープをお勧めします

では、ダイモテープ、タガネを使用した例を
00 スジボリ 自作3
ダイモテープテンプレートを、位置を調整して胸部に貼ります
ずれの確認のために線を引いていますが、ずれることはそうないので特に必要ありません

テンプレートを使用した場合にも作業の流れは基本と変わりありません
00 スジボリ 自作4
タガネを使う場合にも、直線的な部分にはデザインナイフによるアタリ付けが有効です

00 スジボリ 自作500 スジボリ 自作600 スジボリ 自作7
基本の手順通りに、外→外→内と、スジボリしていきます。タガネは0.1mmの物を使用

00 スジボリ 自作800 スジボリ 自作9
テンプレートを外して、各線を繋ぐように仕上げ、スポンジヤスリで毛羽立ちを抑えます

00 スジボリ 自作10
完成形。例によって確認のためスミ入れ
こういった少々特殊なスジボリもサクッとこなせるのが、タガネ+ダイモの強みです


パネルラインの強調

続いて、装甲のパネルラインを強調していきます
00 スジボリ 強調100 スジボリ 強調2
アームパーツの、肘と腕の装甲のパネルラインを強調していきます
実際の装甲をイメージして、腕に水平か垂直か、どちらかに統一します
今回は、先の画像のように垂直方向から削ります

基本に沿って、手順通りに進めます
00 スジボリ 強調300 スジボリ 強調4
装甲の付け根があいまいな部分には、ガイドを使用して、新規でモールドを追加します

00 スジボリ 強調500 スジボリ 強調6
ガイドも利用して、パネルラインを繋げていきます
例によって毛羽立ちを抑えて仕上げます

00 スジボリ 強調7
完成がこちら
腕と肘の装甲が分割されたイメージになりました

既製モールドの強調
続いて、元あったモールドを強調します
00 スジボリ 強調8
元あったモールドもスジボリし直し、よりシャープなパネルラインに

00 スジボリ 強調9
0.2mm以上の幅のスジボリの場合、ヤスリの角を使っても可能です

合わせ目にするスジボリなどもあり、ティエレン表面処理編で特集しています


おまけ

最後に少々、特殊な例を…
00 スジボリ おまけ1
スジボリ→カンナがけ→ヤスリ仕上げ、っと一段落ちのデザインとします
カンナがけなどの削り作業の前にスジボリしておくと、楽に作業できます
ヤスリはダイモテープを細切りして台紙にしています

00 スジボリ おまけ2
頭部も細かくスジボリを追加したり、GNドライブに0.5mmのスジボリをしたり、
コーンを支える部分にはスジボリ後削り込んだり、上腕も削り込んだり…
胸部もかなり複雑な削り込みをしています
ここまでいくとほとんど形状変更ですね…

00 スジボリ おまけ3
今回何かと活躍したダイモテープとBMCタガネ達
ダイモテープは、ガイド、台紙、テンプレート…と、テープを超えた活躍をしています
今回、青のダイモテープ使用していますが、クリアタイプのものはよりおすすめです

タガネは0.1mm、0.2mm、0.5mmの物を愛用しています
1/144スケールには0.1mm、1/100には0.2mmがパネルラインとしてそれぞれ最適です
0.5mmは太めのパネルラインや、改造にも使えます
少々、値も張るんですが…、0.2mm一本持ってるだけでも何かと重宝します
詳しくはスジボリ堂のページへ


00 スジボリ ラスト
スジボリ編、これにて終了です
見ての通り、足にも細かくスジボリしています
腕中心にガリガリやってるうちに妥協できなくなりこのざまです
ラインは主にPGのダブルオーライザーを参考にしています

スジ彫りは、プラモに機械としての説得力を持たす方法として有効な方法です
コツは一度に深く彫ろうとせずに、軽い力で何度も彫ることです
工業製品のパネルライン、PGやMGのモールドをを知ることで、応用も出来ます

次回は肉抜き埋めです

参考文献
ノモ研 増補改訂版 (ホビージャパンMOOK 227)(amazonリンク)
プラモつくろうCUSTOM Vol.5 機動戦士ガンダム08小隊 MS-07B-3 グフカスタム(YouTube)
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質問、リクエスト募集中!
[ 2011/08/30 00:00 ] 製作記 | TB(0) | CM(1)

68: 通りすがりさん (2013/07/06 11:06)

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