楽しい実験「手袋の溶剤耐性」 このエントリーをはてなブックマークに追加

楽しい実験、今回は手袋の耐油性についての実験です。
ビニールやゴムなど似たようなものでもその耐油性にはそれぞれ違いがあります。
今回の実験で塗装用の溶剤による影響をを確かめていきます。

exp_tebukuro_.jpg


実験方法

使用する道具
手袋
ポリエチレン=川西工業 ポリエチレン手袋
ニトリル=エステー ニトリル使い切り手袋
天然ゴム=エステー 使い切り手袋 天然ゴム
(塩化)ビニール=オカモトグローブ 調理につかえるビニール極薄手袋
手袋は作業にしやすい薄手の物を選んでいます。

溶剤
アルコール=無水エタノール(薬局で購入した物)
(ホビー用)ラッカー=ガイアノーツ ガイアカラー薄め液
エナメル=ガイアノーツ エナメル系塗料用溶剤
プラセメント=タミヤセメント 流し込みタイプ
ツールクリーナー=GSIクレオス Mr.ツールクリーナー 改
Vカラーシンナー=イリサワ Vカラー 専用シンナー

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ポリエチレン手袋、ニトリル手袋、天然ゴム手袋、ビニール手袋それぞれに、
表に「表」と油性ペンで書き、その裏から溶剤を垂らしていきます。

exp_tebukuro_a1.jpg
画像のように裏から溶剤を垂らします。
量は決めず「表」の字全体に掛かる程度を目安とします。


実験手順
1.手袋に油性ペンで「表」と記入し手袋を裏返す。
2.「表」の文字全体に掛かる程度を目安にそれぞれの溶剤を垂らす。
3.溶剤が乾燥する程度を目安に観察し、手袋の変化を見る。


実験結果

アルコール
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アルコール→ポリエチレン
10分かけアルコールが乾燥するまで変化は見られなかった。

exp_tebukuro_AxN1.jpg
アルコール→ニトリル
10分かけアルコールが乾燥するまで変化は見られなかった。

アルコール
exp_tebukuro_AxG1.jpg
アルコール→天然ゴム
10分かけアルコールが乾燥するまで変化は見られなかった。

exp_tebukuro_AxB1.jpg
アルコール→ビニール
10分かけアルコールが乾燥するまで変化は見られなかった。

考察
今回使用した手袋でアルコールの影響が観察されたものはありませんでした。
また、このことからアルコール系の油性ペンの影響はないといえます。

(ホビー用)ラッカー
exp_tebukuro_LxP.jpg
ラッカー→ポリエチレン
15分かけラッカーが乾燥するまで変化は見られなかった。

exp_tebukuro_LxLxN.jpg
ラッカー→ニトリル
15分かけラッカーが乾燥するまで変化は見られなかった。

exp_tebukuro_LxG.jpg
ニトリル→天然ゴム
15分かけラッカーが乾燥するまで変化は見られなかった。

exp_tebukuro_LxB.jpg
ニトリル→ビニール
15分かけラッカーが乾燥するまで変化は見られなかった。

考察
ラッカー溶剤の影響は確認できませんでした。
スタンダードな塗料なのでありがたい実験結果。


エナメル
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エナメル→ポリエチレン
20分かけエナメルが乾燥するまで変化は見られなかった。

exp_tebukuro_ExN.jpg
エナメル→ニトリル
20分かけエナメルが乾燥するまで変化は見られなかった。

exp_tebukuro_ExG.jpg
エナメル→天然ゴム
10分ほどでエナメルが浸食したようにふやけた。

exp_tebukuro_ExB.jpg
エナメル→ビニール
20分かけエナメルが乾燥するまで変化は見られなかった。

考察
変化が確認できたのはゴム手袋のみでした。
浸食にかかる時間、浸食の程度を考えると実使用に耐えうる範囲だと思います。

プラセメント
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プラセメント→ポリエチレン
5分かけプラセメントが乾燥しても変化は見られなかった。

exp_tebukuro_PxN.jpg
プラセメント→ニトリル
5分かけプラセメントが乾燥するまで、多少の浸食が見られるも大きな変化はなかった。

exp_tebukuro_PxG.jpg
プラセメント→天然ゴム
5分ほどで裏地の文字に影響が出るほど浸食した。

exp_tebukuro_PxB.jpg
プラセメント→ビニール
見た目の変化は小さいが、5分ほどでビニールが脆くなる。

考察
手袋の素材によって浸食の程度に差が出る結果となりました。
画像はありませんが、ホビー用でない工業用ラッカーもこれに近い反応をします。


ツールクリーナー
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ツールクリーナー→ポリエチレン
5分かけて乾燥するまで、変化は見られなかった。

exp_tebukuro_CxN.jpg
ツールクリーナー→ニトリル
5分くらいで溶け始め、穴が開くほど脆くなる。

exp_tebukuro_CxG.jpg
ツールクリーナー→天然ゴム
5分ほどでゴムが弱くなるが、使用に耐えられないほどではない。

exp_tebukuro_CxB.jpg
ツールクリーナー→ビニール
3分くらいで溶け始める。簡単に穴が開くほど脆くなる。

考察
ニトリルとビニールは実際に使用していても手に浸透するほどではないのですが、ベタベタしてきます。
安全なのはポリ手袋ですが、短時間であればゴム手袋も使用に耐えます。

Vカラーシンナー

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Vカラー→ポリエチレン
5分かけVカラーシンナーが乾燥するまで変化は見られなかった。

exp_tebukuro_VxN.jpg
Vカラー→ニトリル
3分ほどで溶けるように浸食した。

exp_tebukuro_VxG.jpg
Vカラー→天然ゴム
3分ほどでゴムがふやけるように浸食するも強度に大きな影響はなかった。

exp_tebukuro_VxB.jpg
Vカラー→ビニール
2分ほどで溶け始め、自然に穴が開くほど浸食した。

考察
実用に耐える強度があったのは天然ゴムとポリエチレン。
ニトリルとビニールは溶け出しや強度の低下があり、実用的ではありませんでした。


実験総括

各手袋ごとの耐油性をまとめると下記の表のようになります。
溶剤ポリエチレンニトリル天然ゴムビニール
アルコール
10
10
10
10
(ホビー用)ラッカー
10
10
10
10
エナメル
10
10
7
10
プラセメント
10
7
5
3
ツールクリーナー
10
3
6
2
Vカラーシンナー
10
2
7
1
※1~4=使用を控えた方がいい。5~9=実使用に耐える。10=使用上の影響なし。
数値は状態を比較した感覚的なものですので、参考程度に捉えてください。

また今回の実験は塗料や溶剤が手袋に“付着する”という程度を想定したものとなっています。
溶剤に長時間漬け込むような使い方の場合はまた違ってくる可能性がありますのでご注意ください。
表でいうと10以上のところで差がある物とお考え下さい。


手袋の耐性実験でした。

例によってポリって丈夫な素材なのだなと実感します。
ゴムやビニールのようなフィット感がないのが残念ですが掃除用などに持ってて損はない万能手袋です。

今回調べた耐油性以外でも手袋にそれぞれ個性があります。
手袋のニオイの強さ(ポリ<ニトリル<ビニール<ゴム)、
伸縮性やフィット感(ポリ<ビニール<ニトリル<ゴム)、
値段(ポリ<ビニール<ニトリル=ゴム)などです。
使用する塗料や、目的に合わせて使い分けるのがおすすめです。

ここまでご覧いただきありがとうございました。
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[ 2019/03/17 00:00 ] 楽しい実験シリーズ | TB(0) | CM(0)

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