楽しい実験「Vカラーとプラモデル」 このエントリーをはてなブックマークに追加

PVCなどソフビによく使われる塗料、Vカラーの性質についての実験です
ソフビを使ったフィギュアではよく使われていますが、プラモデルに対してはどうなのか?
塗膜最強ともいわれるVカラーの使いどころを検証していきます

exp_Vc_.jpg


溶剤の溶性

実験方法

まずはVカラー専用溶剤のプラスチックに対する溶性を確かめていきます
内容はほぼ前回の溶性、耐性実験と同じです

使用する道具
exp_Vc_a5.jpg
こちらのスポイトの2.0目盛の部分までを添加
単純に溶けるか溶けないかを確認するだけなので、すべて漬かるかどうかは無視してます

漬け込みに使うランナーはすべて「PGユニコーンガンダム」のランナーです

紙コップは撥水加工のされたごく普通の紙コップです

実験手順
1.紙コップにPS、ABS、PE、PPのランナーをそれぞれ入れ、Vカラー溶剤を添加
2.15分後、ランナーの状態を観察

前回の実験とはちょっとだけ違い、ランナーは別々、時間は15分となっています


実験結果
PS(ポリスチレン)

exp_Vc_b2.jpgexp_Vc_b2a.jpg
PS素材は溶剤をかけた瞬間にどろりと溶けます
右の画像は溶剤が揮発するまで置いたもので、原型がわからなくなるほどドロドロに

ABS(A、B、S合成樹脂)
exp_Vc_b3.jpgexp_Vc_b3a.jpg
ABSもPSと同じようにかけた瞬間ドロリと
それでもPSほどではないような
右の画像は溶剤が揮発するまで置いたもので、比較するとまだ形は残っています

PE(ポリエチレン)
exp_Vc_b1.jpg
ポリキャップの素材であるPE
なんの影響もなし
揮発するまで置いても、特に変化はありませんでした

PP(ポリプロピレン)
exp_Vc_b4.jpg
PGのハンドパーツや、RGのフレームに使われている素材
こちらも影響なし
同じく、揮発するまで置いても、特に変化はありませんでした


考察
ラッカーやエナメルと比較して、やはりプラスチックを溶かす力は強いようです
溶かす力が強いと食いつきもいいのですが、厚塗りしすぎないよう注意が必要です
あと、揮発がとても早いです


塗装

実験方法

続いて実際にプラパーツに塗装してみます
特に意識することはなく、ラッカー塗装と同じ要領で薄めて塗装していきます

使用するエアブラシはCGIクレオスのプロコンBOY PS266 ダブルアクションLWA
ノズル口径が大きめのエアブラシです

使用カラーはディテールの見やすいシルバーを使用

使用するパーツは文字の刻まれたランナータグです


実験結果
PS

exp_Vc_c3.jpgexp_Vc_c3a.jpg
左は塗装前、右は塗装後
意外や意外、ディテールが潰れるようなこともなく塗装できました

ABS
exp_Vc_c1.jpgexp_Vc_c1a.jpg
exp_Vc_c2.jpgexp_Vc_c2a.jpg
左は塗装前、右は塗装後
PSと同じく問題なく塗装できました

PE
exp_Vc_c4.jpgexp_Vc_c4a.jpg
左は塗装前、右は塗装後
PSやABSに比べると食いつきが悪いですが、それなりに塗装できました


exp_Vc_d6.jpg
PE製の容器(タッパー)のふたに塗装
塗膜の伸縮に定評があり、このように曲げても平気です

exp_Vc_d7.jpg
乾燥後に適当に曲げてみました
プラの耐久性にも問題なさそうです


塗膜の艶
ここでVカラーの艶について

exp_Vc_e1.jpgexp_Vc_e2.jpg
プラバンとタッパーのふたに艶ありのブラックを塗装したもの
タッパーには厚塗りしたために艶があるのですが、
プラバンに薄く吹くとつや消しのように曇った質感になってしまいました

exp_Vc_e3.jpg
プラバンにクリアーを塗装した例
右はプラバンそのままの状態で、やはり艶がなくなります


考察
溶剤のプラを溶かす力は先の実験で示されましたが、乾燥の早さもあって塗装は可能なようです
ただし、今回のシルバーにはその乾燥の早さが都合よく働きましたが、光沢を出すのは難しくなります

塗料の薄め具合やパーツとの距離など、ラッカー塗装とはちょっと勝手が違うようです


リターダー添加
exp_Vc_g1.jpg
続いて乾燥を遅らせる専用のリターダーを添加してみます
リターダーを20%ほど添加した溶剤を使って、塗装してきます

exp_Vc_g2.jpg
プラバンにクリアーを塗装した画像
左から、Vカラー(リターダーなし)、Vカラー(リターダーあり)、プラバンそのままのもの
リターダー添加前と比べてつやがあります

exp_Vc_g3.jpgexp_Vc_g4.jpg
黒にもしっかりと艶が出ました
光源を外しても色合いの違いが見て取れます

exp_Vc_g5.jpgexp_Vc_g6.jpg
ポリ容器と比べてもこの通り


考察
Vカラーに慣れていないという技術的問題もありますが、
きれいな塗膜を貼るためにはリターダーがあった方が良さそうです

なお、リターダー自体にもプラを溶かす性質はありますが、溶剤ほどではありません


その他の実験と結果

下地塗装との干渉
exp_Vc_f1.jpg
画像右はサフ(ラッカー)を下地にグレーを塗装した例
なんとなく違うような気がするのですが、あまり干渉しない様です

Vカラー溶剤と塗料自体はラッカーを溶かします
おそらく乾燥の早さから影響が出にくかったのではないでしょうか


ラッカー塗料との干渉
exp_Vc_f2.jpgexp_Vc_f3.jpg
ラッカー溶剤を染み込ませた綿棒でVカラーを拭いた例
強くこすると少しだけ溶けます
塗装面に筋は残りますが、多少は平気です
エナメルやアルコール(水性塗料)には全く溶けません


塗膜強度1
exp_Vc_f4.jpg
塗膜最強らしいので、ピンセットで適当にひっかいてみました
確かに強い、気がします
ラッカーも強いので、そんな気がするという程度


塗膜強度2
exp_Vc_f5.jpg
PEのランナーに塗装し、曲げてみました
ラッカー(画像の上)はパラパラと粉になっていくのに対し、
Vカラー(画像の下)はめくれるように剥がれます
90度くらいまで曲げると剥がれるのは共通ですが、Vカラーは少し曲げたくらいなら伸縮して耐えます




Vカラーの実験でした

その他のVカラーの特徴として、においが独特でガチャポンを開けたときみたいなにおいがします
におい自体は強いんですが、どこかで嗅いだことのあるにおいなのでそんなにきつくはない、かな

これツールレビューだっけな?ってくらい使い方を重視して実験を進めました
溶剤の溶性に気をつけておけば使用感自体はラッカーに近いです
その食いつきや塗膜の伸縮性もあって、なかなか使い勝手の良さそうな塗料です



残念ながらAmazonではVカラーの取り扱いはほぼありません
お求めはヨドバシJoshinをご利用ください
関連記事


質問、リクエスト募集中!
[ 2015/08/17 00:00 ] 楽しい実験シリーズ | TB(0) | CM(0)

コメントの投稿











管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL