汎用品「塗装の持ち手」レビュー このエントリーをはてなブックマークに追加

ツールレビューも10回目
今回は単独のツールを紹介するのではなく、汎用品を利用した塗装用の持ち手を紹介します

持ち手は塗装に限らず様々な作業(の撮影)で登場していましたが、今回は主役として特集します

ut_cli_.jpg


目的

持ち手は大雑把にいうと“パーツを直接手で触らないため”に使います
スプレー塗装に限らず筆塗りでも、パーツを直に触っていると、塗装面に手が触れてしまうことがあります
またパーツに対して手(指)は大きいので、塗装できない部分が増えてしまいます
それらを防ぐために塗装時には持ち手が必須だと考えています

持ち手に求める条件は
1.パーツとの適度な距離が保てること
クリップだけなど近すぎると、パーツ(塗面)に手が当たってしまったり、スプレーが手についたりします
また、長すぎるとコントロールしにくいので、お好みで適度に

2.パーツと接する面ができるだけ小さいこと
接面が大きいと筆やスプレーが届きにく、塗装ムラの原因にもなります
保持力にもよりますが、接面は小さい方が汎用性は高いです

3.乾燥時に置き場を困らないこと
乾燥時には埃を避けるために屋根があり、風通しが悪いことが求められます
乾燥場所にもよりますが、持ち手も場所に合わせて小回りが利く必要があります
また、極力持ち手も同じような形で揃えた方がいいです


持ち手の“手”

まずはパーツと距離を取るための軸の部分から紹介

竹串
ut_cli_a3.jpg
よく使うのが竹串です
手で持った時のパーツの距離感が程よく、色んな所に刺しておけることが利点
長さにもよりますが、だいたい100~200本入ってて100円、1本当たり0.5~1円です
模型用には短くてたくさん入っている方がおすすめです

gnx_p1_b4.jpg(ジンクス製作「下地塗装編」より
画像のようにこの軸をポリキャップの穴やスナップフィットのダボ穴に差し込みます

ut_cli_a5.jpg
太さの調整はセロハンテープを使って行います
細くしたいときは削るより爪楊枝を使うと良いです


鉄砲串
ut_cli_a4.jpg
こちらは鉄砲串、本来の持ち手部分が平面になっていて、広い面に対応するのが特徴、
刺す部分が丸い竹串より太いことも特徴です
こちらは20~40本入りで100円、1本あたり2.5~5円

gnx_p1_b8.jpg(ジンクス製作「下地塗装編」より
画像のように両面テープにを貼り付けて、パーツを保持します
両面テープは何でもいいというわけでもないので、詳しくはこちら


その他
gnx_p1_b7.jpggnx_p1_b5.jpg
(ともにジンクス製作「下地塗装編」より
爪楊枝や綿棒も使います
とにかくダボや可動部に差し込めればなんでも使います

他にもプラ棒やキットのランナーを使うこともあります


持ち手の“持ち”

続いては接面が小さいことが求められるつかむ部分

目玉クリップ
ut_cli_a1.jpg
目玉クリップはクリップ自体はやや大きめですが、保持力があり、面でつかまず線でつかむのも特徴
入手しやすいので個人的に準備数も多く、使用頻度が最も高いです
つかむ部分がパーツを削らないようにマスキングテープで保護しています
値段は1個当たり10円くらい

ut_cli_b1.jpg
偶然ですが目玉クリップの留め金部分の溝に竹串がしっかりとはまります
合わなければ竹串を少し削ったり、テープで留めたりして調整します
10.5円で作れるお手軽持ち手です

00 エアブラシ 基本5(00基本製作記「エアブラシ編」より
使用例
画像のように塗装しないダボピンや、接続軸をつかみます

ut_cli_b2.jpg
こちらは応用して竹串の両端にクリップをつけたもの
挟むところがあればどこにでもおけるので、乾燥場所を選ばないのが売りです


ワニ口クリップ
ut_cli_a2.jpg
名前の通りワニの口のようにつかむ部分がギザギザしていて、口が小さくてもしっかりつかめます
“歯”の部分がパーツを傷つけやすいのが難点です
元々電子工作、実験用のクリップなので、絶縁用のカバーがしてあります
こちらも1個当たり10円くらいの物もあるのですが、金メッキ処理がされると値段が跳ね上がります

ut_cli_b4.jpg
ワニ口に軸を接着する場合は接着剤で固定します(画像では「黒い瞬間接着剤」を使用)
のりしろの様に軸を挟む部分があるのですが、保持が緩いので接着剤で固定する必要があります
それなりに強力に接着できる瞬間接着剤やパテなどがおすすめです

tool_t1.jpg(Twitterより)
使用例
その口の小ささからダボ穴を中からつかんで固定することができます

こちらも両端にクリップをつけることができます
パーツをつかむ部分をワニ口、土台を挟む部分を面で安定する目玉クリップ、なんて応用も良さそうです


持ち手の“足”

塗装直後のパーツはその置き場を選ぶので、持ち手の“足”も重要になります
ここでは串の様な軸を刺しておける土台を紹介

段ボール
ut_cli_c1.jpg
段ボールを重ねて刺したもの
硬いのが特徴で、刺した後も安定します
その硬さが欠点でもあり、刺すときに力が必要で、土台も串も消耗しやすいのが欠点

発泡スチロール
ut_cli_c2.jpg
こちらは発泡スチロールに刺したもの
柔らかくサクサク刺さって安定しますが、重さに耐えられず穴が広がりやすいのが欠点

ut_cli_c3.jpg
こちらは発泡スチロールの一種、スタイロフォームに刺したもの
発泡スチロールに近い性質をもちますが、やや硬さがあり消耗しにくいのが利点です
難点は加工の際に粉が舞いやすい事でしょうか
当ブログでは最古の曹操の塗装から使っていて、いまだに同じものが形を変えて現役です


ハニカム
ut_cli_c4.jpg
こちらはドライブースのハニカムフィルターを利用したもの
“刺す”のではなく“立てかける”ことになり、安定感は見ての通りですが、消耗しないのが利点
なお、「Mr.ペイントステーション」は、ハニカムフィルターが箱に入ってるような仕様の物です

ut_cli_c5.jpg
こちらは段ボールの断面を立てて貼り合わせたもの
ハニカムフィルターを見て思いついたので作ってみました
段ボールによりますがハニカムが細かいのが特徴で、軸は安定します
軸が安定するうえにほぼ消耗しないのが利点ですが、軸の太さを選びます
段ボールを何度も切るのは大変でしたが、費用が掛からないのでお勧めかもしれません

その他
他にも箱に油ねんどを敷き詰める方法などがあります
安定しにくいのが難点ですが、軸を選ばずほぼ消耗しないのが利点でしょうか

ut_cli_b3.jpg
先ほど紹介した両側にクリップがある持ち手では、土台をさほど選びません
ちなみに食器乾燥機の庫内です



持ち手でこんなに語ることになるなんて自分でもびっくりです
普段から使用している持ち手は一通り紹介できました

やたら細かく値段を記載しましたが、持ち手には意外と費用が掛かるのが理由です
持ち手1本の費用が10円でも、100本そろえれば1000円になります
100本と聞けば多いように思えますが、
ガンプラで「サフを塗装しよう」「仕上げコートしよう」とすればその数は100を軽く超えます
必要に応じてそろえたこちらの環境で、かかった費用は2000~3000円、意外とバカにならないです

ちなみに初めてのエアブラシ塗装は洗濯ばさみを使っていました
確かそれで完成させたのがMGシャアザクかな?
とにかく身近にあるもので試してみて、自分に合うものを探してください
関連記事
[ 2014/04/06 00:00 ] ツールレビュー | TB(0) | CM(0)

コメントの投稿











管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL